ボーリング調査 と 土の試料採取
ボーリングとは、地中に孔 ( 穴 ) をあけることをいいますが、その孔を使って土の試料を採取したり、各種試験を行ったりするため、一般にボーリング調査、ボーリング試験とも呼ばれています。
ボーリング孔を使った調査や試験を行うことにより、各深さごとの地盤や地質の性状を把握するためのデーターを直接得ることができるほか、採取した土を直接観察することが可能で、また、持ち帰った土の試料は、室内土質試験を行うことで、土の状態や分類、土の強さなどを調べることができます。
掘削方法と種類
掘削方法には、ロータリー式、オーガー式、試掘などがありますが、このうち、当社が行っている方法は「 ロータリー式ボーリング 」と「 試掘 」です。
1. ロータリー式ボーリング
ロータリー式ボーリングは適用範囲が広く、土から岩盤まであらゆる地層の削孔が可能で、孔底下の地層を乱すおそれも少ないため、現在、日本の地盤 ⋅ 地質調査に最も多く用いられている方法です。
ロータリー式ボーリングとは、鋼管 ( ロッド ) の先端に適切な刃先 ( ビット ) を選定して取り付け、ボーリング用の機械動力で回転させて削孔する方法です。
孔壁が崩落する恐れがある場合は、孔壁の崩落や水止めのために挿入する鋼管 ( ケーシングチューブ ) 、泥水 ( ベントナイト安定液 ) などを用いて孔壁を適切に保護しながら掘り進めます。
削孔する孔径は、主に Φ 66 mm を使用しますが、孔内水平載荷試験を行う場合や、試料を採取する場合は、Φ 86 mm や Φ 116 mm を使用することもあります。
2. 試掘
試掘は、人力、又は必要に応じてバックホウやクラムシェルなどの機械を使って掘削する方法で、原位置の地盤を直接観察し、土の採取を行います。
試掘は、土の試料を採取するほか、電気、ガス、水道などの埋設物の確認のために行うことも多く、ボーリングとは本質的に異なります。
- ボーリング ( 英 : boring ) ⇨ 〖 名詞 〗穴をあけること、穿孔
- ロータリー ( 英 : rotary ) ⇨ 〖 形容詞 〗回る、回転する
- オーガー ( 英 : auger ) ⇨ 〖 名詞 〗らせん形のきり(工具)
- コア ( 英 : core ) ⇨ 〖 名詞 〗芯、中心的
サンプリング
サンプリングとは、調査対象となる地盤を代表する土の試料を採取することをいい、室内土質試験の目的に応じて「 乱れた試料 」又は「 乱れの少ない試料 」を採取します。
「 乱れた試料 」は、原位置試験のひとつである標準貫入試験を行うと同時に採取することが多く、また、ボーリングによって「 乱れの少ない試料 」を採取するための穴を提供することができます。