原位置試験
調査対象となる地盤に負荷をかけ、その反応から地層の各深さや構成、地下水位など、地盤 ⋅ 地質特性を確認し、建築物などの計画 ⋅ 設計 ⋅ 施工に必要な定数を求める試験のことを原位置試験といい、求める主な定数には、N値 ( えぬち ) や変形係数 ( 水平地盤反力係数 ) などがあります。
標準貫入試験 JIS A 1219
標準貫入試験は、ボーリングと並行して行う試験です。
標準貫入試験装置 ( ドライブハンマー ) を用いて、標準貫入試験用の試験器 ( サンプラー ) を地盤に打ち込み、土の試料を採取しながら土層の構成を判定するためのN値 ( えぬち ) を求め、地盤の硬軟、締まり具合を確認する試験方法です。
孔内水平載荷試験
地震時における杭の水平抵抗を検討をする場合に必要な、地盤の変形係数 ( 水平地盤反力係数 ) を求めるために行う試験で、地中の孔壁地盤に圧力を加えて、その圧力と孔壁地盤の変位量を測定します。
一般的に杭の水平抵抗に影響を与えるとされる深さは、基礎底面より 5 m の範囲のため、主にこの範囲が試験の対象範囲となりますが、土層の種類によっては対象範囲が変わります。
現場透水試験
現場透水試験は、ボーリング孔を利用して、揚水もしくは注水によって水位観測を行い、地下水位の変化や透水性 ( 透水係数 ) を求める単孔式の試験です。
建築物などの基礎の設計や施工計画では、地下水の状態を把握する必要があります。
弾性波速度検層 ( PS検層 )
ボーリング孔を利用して、地盤のP波S波 ( 地震波 ) の速度分布を測定し、その速度値から地盤の硬軟判定や剛性率などを求め、耐震設計の資料とします。
常時微動測定
地盤の常時微動とは、交通機関、工場機械などの人口的、又は地震動などの自然現象による振動のうち、特定の振動源から直接的影響を受けていない状態での微振動のことをいい、これを測定して地盤の特性 ( 振動特性 ) を調べます。
常時微動測定をすることで、地震動の周期特性を知り、建築物などの耐震設計や設計用の地震波の作成に利用できるほか、地震動の中で特に大きな比率を占める周期 ( 卓越周期 ) より、地盤種別の判断にも利用することができます。
なお、軟弱地盤は硬い地盤より卓越周期は長くなります。
オランダ式二重管コーン貫入試験
特に軟弱な粘性土の土の硬軟、締まり具合などを判定するために行う試験です。
貫入コーンを静的に地中に圧入して抵抗を求める方法で、ボーリングを伴わないため、地盤の乱れが小さく、より自然に近い状態で計測することができます。
ただし、この試験は土の試料を採取することができないため、土質や土層の構成などを直接確認するために試料の採取ができるボーリング調査と併用することが望ましいです。
平板載荷試験
直接基礎を採用する場合に、地盤の地耐力を確認するために行う試験です。
標準貫入試験の結果からその敷地を代表すると思われる地点の基礎底面に載荷板 ( 直径 30 cm 以上の円形の鋼板 ) を設置して地盤に荷重を載荷し、載荷圧力と沈下量を測定します。
ただし、この試験で、調べられる範囲は載荷面より載荷幅の1.5~2倍の深さまでのため、ボーリング調査により地層が同じような状況であることが確認されている場合以外は、他の調査結果も考慮し、総合的な判断が必要になります。