株式会社建設コンサルタント

維持保全 Maintenance

建築物にはさまざまな用途があり、それぞれ特徴に違いはありますが、今ある「 建築物 」の現状を知ることが維持保全の第一歩になります。

建築物を長く使い続けるには、取り巻く社会環境や自然の変化だけではなく、建築主  ( 所有者 ) や、使用者の考えも大きく関係します。

過去に建築され、現在存在している「 既存建築物 」を長期にわたって使用するには、維持保全は欠かすことができません。

「 建築物 」は、工事完了 ( 竣工 ) から長い歴史を刻みます。

「 建築物 」はひとつとしてまったく同じものはなく、それぞれに合う維持管理方法は一歩一歩探していくしかありません。

次に続く時代が必要とする「 建築物 」を残すために、今の私たちにできることを建築主  ( 所有者 ) と一緒に考えていきたいと思っています。

「 知る 」からはじめる

明治時代 ( 1868 ~ 1912年 )、日本の近代化が進む中、西洋の建築技術が伝えられ、日本の建築は大きく変わりはじめました。

大正から昭和の時代、日本の人口は1967 ( 昭和42 ) 年に1億人を超え、1912 ( 大正元 ) 年の約5千万人と比べて2倍以上増加、世界に遅れまいとする日本の政策、電気や電話の普及、地震などの災害、戦争、石炭から石油へのエネルギー革命などによって、私たち人間の生活は大きく変化しました。

日本経済の急速な発展、技術革命、住宅不足など、めまぐるしい変化の中では「 建築物 」は造ることを優先しなければならず、維持保全についてはあまり理解されていませんでした。

その後、時代の流れとともに持続可能な社会の実現を目標として、自然環境への負荷の低減配慮、資源の消費を最小限に留めることなどが見直され、環境保全の観点から「 既存建築物 」の活用と、維持管理が注目されるようになりました。

維持管理には手間と費用がかかり、さまざまな要因から後回しになりがちですが「 建築物 」には、その国、その時における思想が反映されていきます。

成熟した社会では、人々の要望はそれぞれ異なりますが「 建築物 」は地域文化の創造につながり、周囲の生活環境に影響を与えるなど、公共性を有します。

建築主 ( 所有者 ) の財産でもある「 建築物 」の維持管理は、建築主  ( 所有者 ) 自身が考える機会と環境を創り出すことが計画的な運用につながり、次の時代へつなぐためには維持管理の記録も重要になります。

2022年10月 (令和4年)更新
2021年8月 (令和3年)