HTML ( Hyper Text Markup Language ) を知る
HTMLを使って Webサイト ( 以下 サイト ) を社内で制作する、と決めて準備を進めていた時、HTMLは世界中の論文をどこでも閲覧することができないか、という目的によってつくられたものであることを知り、その背景をもっと詳しく知りたくなりました。

そしてHTMLは、現在、情報を取得したり提供したりすることのできる Web の基本技術のひとつであることから、HTMLを知ると同時に、インターネットと Web の歴史を知ることになります。
調べた中で、興味深い部分をまとめました。
インターネットと Webの歴史
現在、世界規模のコンピューターネットワークとなったインターネットは、1969年 ( 昭和44年 ) にアメリカの国防総省高等研究計画局 ( Advanced Research Project Agency ) で実験的に構築されたネットワーク、ARPANET ( アーパネット ) から発展したもので、軍事技術用だったネットワークをアメリカ国内の研究開発支援として使い始めたことにより、大学や研究機関の間で成長していきました。

1945年 ( 昭和20年 ) にアメリカの技術者 Vannevar Bush ( ヴァニヴァー⋅ブッシュ ) が、本やマイクロフィルムなどを電気的に接続して次々に表示させるという Memex ( メメックス ) 構想を論文で発表します。
これは、情報検索についての論文とも言われ、索引付けした情報の保管場所へアクセスを可能にするという、現在の Web における情報の取得や提供につながる最初の構想となります。
この論文がその後多くの研究者や技術者に影響を与え、1965年 ( 昭和40年 ) には文字情報中心の文書を相互リンクさせる「 ハイパーテキスト 」と、音声や動画などを相互リンクさせる「 ハイパーメディア 」という言葉をアメリカの研究者 Theodor Holm Nelson ( テッド⋅ネルソン ) が発表、さまざまな研究者や技術者が開発を進めていきます。
1970年代 ( 昭和45年 ) から1980年代 ( 昭和55年 ) までにかけて、コンピューターの小型化と性能の向上により、複数のコンピューターを組み合わせてネットワーク全体の性能を向上させる、分散システムという手法が登場します。
このような時代背景の中、当時スイスの欧州原子核研究機構 CERN ( セルン ) という国際的な研究所に在籍していたイギリス出身の計算機科学者 Tim Berners-Lee ( 以下 ティム ⋅ バーナーズ = リー ) が1990年 ( 平成2年 ) に異なるコンピューターとコンピューターを動かすオペレーティングシステム ( OS ) の間で、文字情報 ( テキスト ) を表示できる Webブラウザ ( ソフトウェア ) と、文字情報を公開するサーバーと通信するための通信規約HTTP ( Hyper Text Transfer Protocol ) を開発、そして世界中にあるサーバーをインターネットでつなぎ、文字情報をどこでも閲覧できる仕組み「 Wold Wide Web 」 ( 以下 Web ) を1991年 ( 平成3年 ) を発表します。
ティム ⋅ バーナーズ = リー が Web を発表すると大学の研究者や企業などが無償で公開されたWebブラウザやサーバーをインターネットを使って試し、次々に情報公開を始めました。
ティム ⋅ バーナーズ = リー は Web の開発と同時に、Webブラウザを用いて、インターネット経由で文字情報の閲覧を可能とする新しいコンピュータ言語、HTML ( Hyper Text Markup Language ) を開発します。

このHTMLは、1960年代 ( 昭和35年代 ) にアメリカのコンピューター関連企業 IBM が開発した GML ( Generalized Markup Language ) の後継言語で、すでに実用化されていた SGML ( Standard Generalized Markup Language ) を簡略化して、Web用に扱いやすくしたものでした。
これらのコンピューター言語は、人間や機械に文字情報をわかりやすく伝えることができるよう文字情報に目印をつけて記述するため、マークアップ言語と名づけられています。
この文字情報につける目印のことをタグといい、その文字情報がどのようなまとまりで読まれるべきかなど、このタグを使って見出しや段落などの意味づけをして、人間や機械が理解できるようにします。
さらに Web の普及を推し進めたのは、1993年 ( 平成5年 ) イリノイ大学の NCSA ( National Center for Supercomputing Application アメリカの国立スーパーコンピューター応用研究所 ) が「 Internet Explorer 」や「 Firefox 」の起点となる「 Mosaic 」 ( モザイク ) というブラウザを公開したことによります。
この「 Mosaic 」は、それまで文字情報しか扱えなかったブラウザに対し、画像を混在させることが可能なブラウザでした。
そして1995年 ( 平成7年 ) に Microsoft がコンピューターのオペレーティングシステム ( OS ) であるWindows95 を発売、ここに Web 上の情報を閲覧可能とするブラウザ「 Internet Explorer ( IE ) 」を標準で搭載したことによって Web が私たちの身近な存在となりました。
HTMLの役割
1945年 ( 昭和20年 ) から1980年代 ( 昭和55年 ) 頃までの長い期間において徐々に条件が揃ったことで、1991年 ( 平成3年 ) に Web や HTMLの誕生につながり、これらを基に新しい情報技術が次々に誕生しています。
現在 Web上で公開されている情報は、研究者や技術者だけでなく、今では誰でも取得することができるようになりました。

研究者や技術者が論文を広く取得したいと考えるのは、先人たちが残したものを閲覧することで問題の解決を早めたり、研究を進めやすくしたりする目的があるからで、その目的があったからこそ Web やHTMLの開発につながっています。
現在の Web は学術的なものだけではなく、ニュースや娯楽、ショッピングサイトなど、その用途は多様化していますが、HTMLは私たちへ情報をわかりやすく表現して提供するため、Web の裏側でその役割を担い続けています。