机の配置を見直そう
執務者が使用する場所を、組織の業務特性に合う形にすることは、執務者同士の意図伝達などのコミュニケーションを促し、作業効率を高め、業務改善につながる、ということは広く知られていますが、組織の運営には、必ず「人」と「事」と「物」が関係しています。
組織に合う形を探すためには、組織の事業計画や運営方針に合わせて考えることが最も重要なポイントになりますが、時代の流れに沿う事業計画をまとめたり、執務者のマネジメントをしたりすることは容易なことではありません。
現在、営業している組織の執務空間には、必ず机などの什器 ( 机、椅子、戸棚、間仕切りなど ) が存在しているため、「 物 」を什器と定義した場合、今の机の配置や現在ある什器の種類と数を把握することは、少し時間はかかるかもしれませんが、難しいことではありません。
限られた空間を有効活用するために、事業計画や運営方針の策定とともに机の配置が生み出す特徴や効果を再確認し、机の配置と什器の見直しをしてみましょう。
机の配置
1. 対向型 ( 島型 )
一般に、コミュニケーションを必要とする場合に適している型で、面積効率が高く、固定電話や電気のコンセント、LANケーブルなどの配線管理が比較的容易。
中央に間仕切り ( パーティション ) を設置すると、適度なプライバシーを確保できる。
2. 同向型 ( 並行型 ⋅ 教室型 )
対面する視線がなく、適度なプライバシーを保つことができるが、面積効率は対向式 ( 島型 ) より劣るが、通路が明確になる、などの特徴がある。
3. 左右対向型 ( スタッグ式 )
コミュニケーションとプライバシーの双方を必要とする業務に適している。
4. 背向型
互いに背を向ける配置は、視線が合わないので適度なプライバシーを保つことができる。
5. ブース
間仕切り ( パーティション ) などを使用して執務者専用の作業空間となるため、独立性は高くなるが、管理者の目は届きにくくなる。
6. フリーアドレス
座席を特定の執務者に割り当てず、在籍者で共有し、利用する時は空いている席を自由に選んで使う。
本来の目的は、オフィスの面積をより有効に使用することなので、在籍率が高い場合には適さない。
空間の効率的な利用とコミュニケーションの活性化を図ることができるが、外勤者が多く、在籍率50%~60%であること、在籍者の理解と意識の高さ、また、席の共有・移動を実現する工夫が必要とされる。
7. オフィスランドスケープ
島がいくつもあるように、つい立て式の低い間仕切り ( パーティション ) 、什器 ( 机、椅子、戸棚など ) 、植物などを配置するもの。
執務者の適度なプライバシーを確保しつつ、自由な空間を構成する手法で、パソコン操作、情報処理機器を駆使して定型的な事務処理を総合的に自動化、省力化、効率化の推進に対応しやすく、一人当たりの事務室面積が大きい場合に適している。
8. オフィスランドスケープ オープン型
広い執務空間の中にいくつかのグループを目的に応じて配置し、固定間仕切りを使わず、移動が可能な低い間仕切りなどで仕切り、配置するもの。
それぞれの業務内容に適した机などの什器の配置や、情報処理機器を選定し、採用するもので、自由な事務体系の場合などに適している。
9. ホテリング
従来の個室を共用化し、予約制で利用する方法。
10. ユニバーサルオフィス
役職の違いにかかわらず、机の大きさや種類を統一して、机の配置を固定したもの。
机の配置を毎回を変更せずに、組織変更に対応することが可能なため、組織変更に必要な時間と費用を抑えることができる。