デジタルトランスフォーメーション ( DX ) を知る
私たちは今、HTML ( Hyper Text Markup Language ) を使い、Webサイトを社内で制作することをデジタルトランスフォーメーション ( digital transformation
digital transformation を感覚的に知っている日本語でそのまま訳すと、デジタル転換や電子変換などの印象を受けますが、DXは 2004年 ( 平成16年 ) にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「 情報技術 ( IT ) の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる 」という仮説を提唱したことに始まり、その定義と解釈は複数の意味を持ちます。
私たちは、このWebサイト制作を通して、情報技術 ( IT ) や 情報通信技術 ( ICT ) に関連することや、単語や言葉を知らなければ、誰かに質問することすらできず、またアナログで整理できていないものは、ソフトウェアなどの道具があってもデジタルにはできない、ということに気づきました。
そして、デジタル化のためにソフトウェアを使う場合、そのソフトウェアの更新がずっと継続されるか、ソフトウェアで作ったデーターが他のソフトウェアでも扱えるなどの互換性があれば別ですが、もしも、ソフトウェアの開発者が更新をやめてしまった場合のその後を考えずに、ソフトウェアに依存する状態は怖い、と思いました。
だからといって、ソフトウェアを使うことをやめようと思っているわけではなく、ソフトウェアは目的を達成するための道具として使うもので、使うと決めたら可能な限り長く使いたいと思っています。
ちなみに、このWebサイトを作るため、新しいソフトウェアを使うことにしました。そのソフトウェアは、文書を作成するワープロソフトのようにHTMLを使って構成される文字や記号などを編集することができるもので、このソフトウェアを使うためにソフトウェアの操作とHTMLを覚えて、いちから組み立てる必要はありますが、デザインや枠組みが一切なく自由に作ることができます。
厳密にいうと、HTMLは文書構造を書くためのコンピューター言語なので、HTMLの他に装飾を指定するスタイルシート ( CSS ) を組み合わせます。また、簡単なものであれば、動きをつける機能など、必要なものだけを選んで追加することもできます。
そして現在、動きのない単調なものですが、ひとつの型 ( テンプレート ) を作ることができたので、その型を複製し、これまで使ってきたHTMLを応用することで、Webページを増やせるようになり、仮に現在使用しているソフトウェアが使えなくなったとしても、作ったWebページは、他のソフトウェアでデーターを扱うこともできます。
社内で Webサイトを作ると決めた時、初めは「 会社案内 」の電子版を目指しましたが、Webサイトを作るために集めていた資料を整理し、いろいろなことを知るうちに、Webサイトに対する認識が変わり、もしかすると、私たちが考えてきたことや経験してきたことが、ひとつの記録 ( アーカイブ ) になるのでは、と考えるようになりました。
そして、会社の存在がわかればいい、と作り始めたWebサイトですが、今では「 記録を残す 」ということも、私たちが Webサイトを作るもうひとつの目的になりました。
おそらく、ここからが私たちにとって本当の始まりです。
余談になりますが、デジタルとアナログの意味を見直そうと、持っている紙の辞書で調べると、アナログの意味の中に、物事を割り切って考えないこと、また電子機器の使用が苦手なこと、という比喩的な表現がありましたが、デジタルにはありませんでした。
もし日本で、デジタルトランスフォーメーションという言葉の定義や解釈が定着するまでの間に言葉だけが先行すると、ともすれば電子機器が苦手だからデジタル化できない、とか、物事を割り切ることのできない古い組織や人、という印象を与えることにもなりかねず、それが根拠なく人を不安にさせる側面があるのでは、と思うことがあります。
連続的なものがアナログなのだとすると、時間や空間、歴史や文化、伝統、自然、環境、世界、宇宙、人間、親、兄弟など、つながっているもの、割り切ることのできないものは、世の中にたくさんあります。
デジタルで作られるひとつひとつは切り取られた一部の断片でしかなく、その一部だけを見ても気がつかないこと、判断を誤ることがあり、だからこそ、それをつなげているアナログを見直し、現状を少しずつ整理することが、デジタルトランスフォーメーションへのいちばんの近道になるのでは、と私たちは考えるようになりました。